名称 セイコーマーベル
19石DIASHOCK
型番140311960年製造
Sマークマーベルの最終ロットです

1956(昭和31)年、紳士用機械式時計「マーベル」を商品化します。
セイコーが初めて独自設計した製品で、腕時計の原理原則(狂わない、壊れない、美しい)に立ち返り、新しい設計方針と生産技術設備の導入により開発されました。
国内コンクール(国産時計比較審査:通産省主催)では敵なしで上位を独占。
1957(昭和32)年の米国時計学会(日本支部)の腕時計コンクールでもマーベルが男性用腕時計部門でスイスをはじめとする外国品を抜いて第一位にランクされ、「驚異の時計」「頭脳明晰な健康優良児」と称賛を浴び、当時の「国産品は精度が悪い、壊れやすい」というイメージを払拭していくことになります。
同時に、「これでスイスに対抗できる」「自分たちの信ずる道を進もう」という自信とモチベーションを飛躍的に高める契機になりました。

 セイコーは「マーベル」を自社の歴史のなかで、エポックメイキングなモデルとして捉えています。
それはこのモデルのムーブメントが“小さなキズに至るまで完全なる自社製”として開発された機械であり、スイスやその他の国で作られたどんなムーブメントにも影響を受けていなかったから。
「マーベル」の26㎜ムーブメントは「セイコー・スーパー」のそれよりも大きく(同年にデビューした日本初の自動巻き腕時計である「セイコーオートマチック」には最適なサイズだった)、さらにセイコーが新たに開発した「ダイヤショック」という衝撃吸収システムを搭載。
精度と安定性において、従来モデルとは比べ物にならないスペックを実現させており、その性能は同時期の日本製腕時計を凌駕するレベルであった。
セイコーの技術を広く知らしめる切っ掛けとなった「マーベル」は、巻き上げ効率を高めた「マジックレバー」機構を採用した新型自動巻きムーブメント、「セイコー・ジャイロマーベル」が開発される1959年まで、継続して生産された。


「19JEWELS」とあるので、中の機械に使われているルビーの石数は19個です。マーベルには、17石、19石、それに21石の3種類があり、そのほとんどが17石なのだそうで、19石と21石は希少となります。