コマンドマガジン社より出版された太平洋戦争のシミュレーションウォーゲームです。駒は切っただけで1度もプレイしていません。備品は全て揃っています。

『アクロス・ザ・パシフィック』は、プレイ不能な精密シミュレイションではなく、戦略~作戦レベルの視点で、太平洋戦争中に日米両軍が取り得た戦略/作戦を検証できる、プレイアビリティの高いキャンペーン・ゲームです。

例えば日本軍が選択可能なオプションに、真珠湾攻撃を行わず、即ちアメリカと戦争をせず、短期決戦で中国との全面戦争に挑む、というものがあります。アメリカは途中から参戦してきますが、それまでに日本が対中戦に勝利できるか時間との戦いとなります。

歴史通り真珠湾攻撃で太平洋戦争が幕開けしたとしても、日本はオーストラリアに侵攻することも、あるいは先にニュー・ギニアを占領してから蘭印とフィリピンを攻略する作戦をとることも可能です。最初から持久戦を覚悟し、熟練搭乗員を温存し、大戦後半に登場する高性能機をあてがうという展開も考えられます。

このように、プレイヤーが様々な戦略を試せる背景には、流動的なシーケンスと、戦略的な側面を楽しめる戦闘解決システムがあります。プレイするたびに展開は大きく変わるので、常に新鮮な気持ちで対戦することができる作品といえるでしょう。

アクロス・ザ・パシフィックとは

『アクロス・ザ・パシフィック』は、太平洋戦争をテーマにした二人用ゲームです。プレイヤーは実在した艦船や部隊を指揮し、太平洋、オーストラリア、そしてアジア大陸で、勝利を目指して戦います。

キャンペーン・ゲームは全9ターン、1ターンは5カ月を表し、1941年12月から始まり、45年8月に終わります。キャンペーン・ゲームのプレイ時間は12~18時間です。その他、4本のショート・シナリオが用意されています。

各ターンは戦略フェイズと戦術フェイズに分かれ、それぞれ10ある手順がチットによってランダムに行われます。これにより、日本軍の空母機動部隊が待ち伏せを受けたり、予想外の場所に上陸が行われたりと、様々なドラマが生まれるのです。

またこれまでのゲームにはなかった「制空範囲(エア・アンブレラ)」という概念によって、太平洋戦争における陸上機の重要な役割が描き出されているのが本作の特徴と言えます。